始まり

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久美先生が出て行ったそのあと 生徒達は〔久美先生どうしたのかな?〕と騒いでいた   久美先生が上の空だった訳は教育実習の上田先生が原因だった   上田先生は身長が高くて痩せていておまけに格好いい   生徒は愚か教師までもが上田先生を狙っている ただ一人由深子を除いては   なぜこんなにも興味がないのか それは由深子本人しか解らない   ぼーっとしてると急に声をかけられた 《佐伯さん。どうかしましたか?》と びっくりして顔をあげるとそこには上田先生が居た 【いえ、何も】と言と 《そうですか》と言って生徒達の輪の中にはいっていった   どうやらいつのまにか午前の授業は終わっていたようだ   自分は何時間ぼーっとしていたのだろうと考えていると また声をかけられた 『ねぇ、上田先生格好いいよね』と 誰かと声のした方を向ければそこには親友の唯がいた 私は【格好いいかな?知らないよ。興味ないから】と答えて席を立ち教室を出ていこうとした   その時上田先生に呼び止められた 《佐伯。放課後話があるから教室で待っててくれないか?》と 他の生徒達の目線が怖かったが断る理由もないので【かまいませんけど、何故放課後なんですか?】と疑問をぶつけてみれば、返って来た答えはよく分からなかった 《とにかく放課後教室で待ってなさい》それだけを言ってまた生徒達と話始めた   なんなんだと考えながら教室を出て水呑場に行って手を洗って教室に戻ると上田先生は居なかった  誰かに聞くのも面倒だったから自分の席に戻ろうとしたら一人の生徒に話し掛けられた   〔上田先生とどうゆう関係なの。佐伯さん〕と 無視しようとしたら、腕を捕まれ引き寄せられた、その反動でこけそうになってしまった   唯が支えてくれなかったら 完璧にこけていただろう  それでもその生徒は引き下がらなかった 〔人の話聞いてるの〕と仕方がないのでこう答えた   【私と上田先生はなんの関係もないから】 本人が聞いてるとも知らずに そこに上田先生本人がはいってきた 何も聞いていないかのように ただ仕切に由深子を盗み見ていた   そのことには誰も気付くことなく 放課後がやって来た   皆が帰りの仕度をしている中由深子だけがぼーっとしていた 唯に話し掛けられ我に返り帰りの仕度をし始めた  帰りの仕度が終わり帰ろうとしたとき 上田先生が教室にはいってきた
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