あたしの、隣

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遠くでざわめきが聞こえる。…確か何処かでお祭りのはず。 でも、だから何ってかんじ。 むせ返るような汗の匂いに、乱れたベッド。さっきまでの情事は、やっぱり嫌な余韻しかのこさない。 「梨花」 甘い声で囁く男。ごめんね、あたし、本当は梨花じゃない。って、あんた誰だっけ?あぁ、駄目だ。 あたしは急いで散らかった服を拾い上げて、身につける。 「梨花…?」 「あぁ、楽しかったわ。じゃあね」 …あたしは酷い女なのかな。それとも、尻軽? いっそ、尻軽とでも言われたほうがまし。
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