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放課後、ハルカとカオリは駅の近く、いつものミスドでおしゃべり。
「あのさぁ、今日珍しいね」
「何が?」
携帯電話片手にハルカが聞き返す。
「今日はフレンチクルーラーがある。いつもポンデリングとハニーチュロだけなのに。何かいい事あった?」
「なんじゃそりゃ、何も無いよ。たまには食べたいでしょ」
「嘘だ」
「嘘じゃないし」
そのセリフを言った後、少し間が空いた。ハルカはこんな空気は気にならないけれど、カオリはいつもよりトーンが下がっていた。
「あたしはハルカがうらやましい…いつもいい事ばっかりで」
「バカか。いい事ばっかりな訳ないでしょうが。朝起きたら顔に生卵ぶつけられたとかクリームプリン食べたら下痢が止まらなかったとか…辛い事もうっとうしい事もありすぎる、あんたみたいにズルズル引きずったりしないの。あんたとは違うのよ」
カオリは少し笑った。こんなハルカの言い方だが別に嫌な気はしない、むしろハルカらしい発言だった。
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