第一話 どこかで聞いた事のある話

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放課後、ハルカとカオリは駅の近く、いつものミスドでおしゃべり。 「あのさぁ、今日珍しいね」 「何が?」 携帯電話片手にハルカが聞き返す。 「今日はフレンチクルーラーがある。いつもポンデリングとハニーチュロだけなのに。何かいい事あった?」 「なんじゃそりゃ、何も無いよ。たまには食べたいでしょ」 「嘘だ」 「嘘じゃないし」 そのセリフを言った後、少し間が空いた。ハルカはこんな空気は気にならないけれど、カオリはいつもよりトーンが下がっていた。 「あたしはハルカがうらやましい…いつもいい事ばっかりで」 「バカか。いい事ばっかりな訳ないでしょうが。朝起きたら顔に生卵ぶつけられたとかクリームプリン食べたら下痢が止まらなかったとか…辛い事もうっとうしい事もありすぎる、あんたみたいにズルズル引きずったりしないの。あんたとは違うのよ」 カオリは少し笑った。こんなハルカの言い方だが別に嫌な気はしない、むしろハルカらしい発言だった。
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