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彼に覆いかぶされると、私は息が出来ない。
このまま、彼に食べられてしまってもいいかな、と思う。
口で、じゃなく、彼の全身で。
彼に食べられて、彼の身体にすっぽり収まり、彼の消化液で包まれ、自分の命が彼の意識外のところで彼によって削られていく。
けどきっと、彼の中は柔らかくて温いだろうし、消化液は私の体を表面から優しく溶かしていくはずだ。
きっと、彼の腕枕よりも、今こうして覆いかぶされてるよりも、彼によって命が削られていく瞬間、一生の眠りにまどろむ瞬間は、ずっとずっと心地良いはずだ。
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