第14章

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呉羽は朔を庭へと連れ出す。 そして自分の目の前にたたせた。 指を二本、顔の前に立てると鋭く空気を切る。 すると、呉羽と朔の周囲が薄いブルーの正方形の空間に囲まれた。 「獣が逃げ出さぬように、結界を張った。この中では存分に戦えるであろうよ」 呉羽はそう言うと、朔に手招きする。 朔が呉羽の側に寄ると、呉羽は朔の背中に片手をピタリと当てた。 「よいか、凛の獣を抑えている力を解くぞ」 朔は黙ったまま頷いた。
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