始まりの冬

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……女子か……なら俺じゃないな…… 俺がその言葉に反応せずに前へ進もうとすると、 「ええっと、三輪君!君だよ!」 という声が聞こえてきた。 ……おかしい…… 今の時期に俺に話し掛ける女子なんて同学年にはいないはず…… しかしここは一年しか使ってないフロア、ならこの声の主も一年という事になる。 このまま考えても埒が明かないので、後ろを振り向いた。 ……そこには、明らかに男子の目を引く容姿の女子が立っていた。 黒髪のロングヘアー、ぱっちりした目、どれも女としての魅力を引き出す要素に思えた。 「………誰?」 しかし覚えがない。 そもそも女子とは目線を合わせないようにしているんだからな… 例え美少女だろうと知らないものは知らん、ご機嫌も取る気ないしな…… 俺はできるだけ低い声で尋ねた。 「……えっ?私の事知らない?」 その女子は、かなり不思議そうな顔をして俺を見る。 ……ムカつくな…… 自分の事を知ってて当然みたいな面しやがる…… そりゃ美人だが、自分でそう思ってる奴には嫌気がさしてならない。 俺はその女子を睨みつけた。
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