春は気持ちが良い

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春は気持ちが良い

――――― 『ブーブーブーブー』と携帯の目覚ましでバイブが激しく音をたてる。 バイブ音は本当に人を不愉快にさせるもの。 そんな感じで目を覚ました――――って 「……ふぁぁぁあ……ん?」 あくびをしながら携帯を手に取り、カチッと音を鳴らせて開く。 画面に表示されている時刻を見ると 8:00 と表示されていた。 「ふっ、おいおいそりゃないぜ」 目をつぶって鼻で笑う。 そして、 「遅刻はやだー!」 飛び起き、一階にいるであろう母さんを探す。 「母さん!飯!飯!」 「そんなの…遅いから片付けたに決まってんでしょ?」 「…ご馳走様でした」 色々と信じたくない俺はまた目をつぶって鼻で笑う。 あぁ……これもよくある夢か。 俺もリアルな夢を見るようになったなぁ。 「そんなとこで妄想してないで早く準備しな」 ……現実ってのはそんなに甘くなかった。 「行ってきまぁす!!」 俺は速攻で顔を洗い、歯を磨き、髪をワックスでセットし、制服に着替えて家を出る。 「マッハ5~!」 なーんて、どっかの主人公みたいな叫び声をあげながら今日から通う高校、桜ヶ丘高校へと向かった。
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