14835人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ
春は気持ちが良い
―――――
『ブーブーブーブー』と携帯の目覚ましでバイブが激しく音をたてる。
バイブ音は本当に人を不愉快にさせるもの。
そんな感じで目を覚ました――――って
「……ふぁぁぁあ……ん?」
あくびをしながら携帯を手に取り、カチッと音を鳴らせて開く。
画面に表示されている時刻を見ると 8:00 と表示されていた。
「ふっ、おいおいそりゃないぜ」
目をつぶって鼻で笑う。
そして、
「遅刻はやだー!」
飛び起き、一階にいるであろう母さんを探す。
「母さん!飯!飯!」
「そんなの…遅いから片付けたに決まってんでしょ?」
「…ご馳走様でした」
色々と信じたくない俺はまた目をつぶって鼻で笑う。
あぁ……これもよくある夢か。
俺もリアルな夢を見るようになったなぁ。
「そんなとこで妄想してないで早く準備しな」
……現実ってのはそんなに甘くなかった。
「行ってきまぁす!!」
俺は速攻で顔を洗い、歯を磨き、髪をワックスでセットし、制服に着替えて家を出る。
「マッハ5~!」
なーんて、どっかの主人公みたいな叫び声をあげながら今日から通う高校、桜ヶ丘高校へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!