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「す、須山先生がそんなことするわけ……」
「あぁ。俺もそう思うが……。
だが、その件が須山先生の辞職と、何か関係してることは間違いないだろう」
―――たしかに。
俺は、おずおずと頷く。
すると佐野は、ふぅっと嘆息を漏らし、静かに俺を見据えてきた。
「……ともかく、こんなところで、答えの出ない推論をしていても、物事は解決しない。
俺はA組に行く。お前はどうする、駆?」
佐野からの問いかけ。
やはり、いつもいつも無愛想で、須山先生を邪険にしている佐野だが……コイツはコイツなりに須山先生のことを心配しているのだろう。
はッ、この男子版ツンデレめ!
隠れ萌えキャラか、お前は!
「当然、俺も行くに決まってるだろ。そんなくだらんデマを流したダサ男にサマーソルト喰らわせてやらぁ!」
……まぁ、かく言う俺も、ツンデレっ子なわけで。
どう足掻いても、須山先生のことが気になって仕方が無いのです。
すると、ここで俺の隣に居た夕梨が高々と挙手。
「佐野君!わ、私も一緒に行かせて!私も、須山先生が暴力をふるうなんて信じられないし……何より、真相が知りたいの」
「……あぁ、分かった。いいだろう。……で? 他は、どうする?」
佐野はそう言って、この場に居る雪血華の面々を見つめる。
それに反応して口を開いたのは、静香だった。
「たしかに気になる話だけど、ウチはパスするわ。
A組ってことは、ダサ男が居るんでしょ~? あんなうるさい馬鹿の相手するのはゴメンだわ。
……それに、」
静香はそう言うと、吉岡さんとアイコンタクト。お互いに頷きあった後、再び口を開く。
「他にも、少し気になることがあるのよねぇ~」
「……気になる、こと?」
俺が疑問に思っていると、吉岡さんが割り込んでくる。
「まぁ、些細なことっすよ。
こっちの件はあっしと静香と紫婉で調べておくっすから、兎上達はA組の方をよろしく頼むっす。分割作業っすね」
「は、はぁ……」
なんだろう。
滅茶苦茶気になるんだけど……。
まぁ、吉岡さんがそう言うなら、大丈夫……なのかな?
「分かりました。じゃあ、A組には、俺と佐野と夕梨で行ってきます。何か分かったら、連絡しますね。それじゃ」
「了解っす」
そうして、俺with佐野&夕梨の新生スリーマンセルは、教室を後にし、A組へと向かっていった。
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