そこにいた子供

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普段その子は笑っていた そこはぬるま湯 その子は箱入り   たまにその子は豹変した 先程まで灯っていた火が消えるように 突然の風と雲で月が陰るように   その時その子は黙っていた 普段の面影を無くした瞳で 只、何も言わずに   そんなその子は誰も知らない 知った事すら偶然で 知らなかった事すらも偶然だった   その子は今日も表で笑う 『なあ』『あのさ』 こちらに問い掛けてくる 声が、痛い
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