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「坂本さんと中岡さん来れて良かったな」
「中岡はいらないけどね」
邪魔をされて二人が去った方向を睨み付ける稔麿。すこぶる機嫌が悪い
「うちらも戻らへん?」
「あんまり長居してると煩いしね。」
俊輔と九一が鬱陶しいと思える絡みが待っているに違いない。あとは晋作による妬みの視線
軋む床を踏み鳴らして稔麿はピタリと止まった
「忘れものした」
「取ってこようか?何を忘れたん?」
「んー?それはね……」
視野いっぱいに稔麿の端麗な顔立ちが広がり、唇には柔らかい感触。それが口付けだと分かるのに時間はかからなかった
「………いきなりはやめてぇな」
「だって驚いた音羽可愛いもん。素直な音羽も可愛いけど」
また小さくチュッと音を鳴らして、音羽の手を握った
――幸せにするから僕の傍にいてね
その意味を込めて握ったのを知るのは稔麿だけ
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