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「しかし君、恋は罪悪ですよ。解っていますか」
「かの有名な夏目さんか。君が影響されやすいのは分かったけど、人を指さすのは良くない」
「いやー、あたし今まで夏目漱石先生の事誤解してました。吾輩はデブであるを読んだ事はあるんですが、しっくりこなくて」
「天下の夏目さんもタイトルを勝手に変えられたら困りますがな」
「何の事でしょう。とにかくこころは凄いです! 恋は罪悪だなんて言葉を思いつくなんて、流石は文豪ですよね! 先輩も少しは見習って小説でも書いてみたらいかがですか?」
「かったるいけど、了解。恋は罪悪、略して恋ザク。侵略してきたザクに一目惚れした少女は、相手が機械である事などまるで気にせずに情事に走る。しかし、赤い彗星がザクを取られた逆恨みから彼女をレイ」
「いやー!? 女の子の前でなんて事言うんですか!」
「……レイ・チャールズのような髪型に仕立て上げる」
「え」
「何という言葉を予測したのかは大体分かるから言わなくて良いよ。このえろぽん」
「意外に可愛いけどそんな呼び方しないでください。あ、あたしはただ『彼女をレイピアで刺し殺そうと画策した』と続くのかと……」
「さっき女の子の前でとか言ってたよね」
「ふぇ」
「えろぽん」
「はい先輩。んが付いたから負けです」
「いつから僕らはしりとりをやってたんだ」
「レイ・チャールズのくだりの前までです」
「マジで?」
「嘘だと思ったら確認してみてください」
「無茶言うな」
「先輩には言ってません」
「……ああ、とうとう独り言を言う痛い子になってしまったのか。いとあはれ」
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