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「―え?ごめん、何?なんて言った?」
幸子の前に来て訪ねた。
「―ううん、何でもない。独り言!じゃあ、帰るね」
「ああ、気をつけて」
店を出ると、すでに明るく、太陽の明かりがまぶしい。春の匂いがする。
大きく息を吸い込み、そして吐き出した。
(理恵に話したら、きっと反対するだろうな)
そう考え、笑った。
今度は相談出来る人もいなく、前途多難な恋だけれど頑張ろう。
「恋愛不器用女だって、やる時はやるから見てろよ、智ちゃん!」
幸子はそう叫び、歩き出した。
―fin―
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