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マルコの部屋
その日は、仕事が8時過ぎまでかかり、家路についたのは9時前だった。
車で家に着いたのは9時40分頃、いつもの事ながら妻は子供と一緒にすでに夢の中だ。
テーブルの上には冷めた夕食が静かに僕の帰りを待っていた。それ以外、僕を待つものは何も無い。
僕は、風呂に入り冷めた夕食を温めなおして食べると、ビールを呑みながらパソコンに向かった。
最近は妻と夜を過ごすことは、ほとんど無いに等しい。
月に1回エッチすれば良いほうだ。子供が生まれるまでは、まるで盛りのついた猿のように、毎日のようにエッチを楽しんだものだ。それがここまで禁欲生活を迫られるとは思いもよらなかった。
そのせいか、気が付くと僕はインターネットにはまっていた。
最初は差し障りのないチャットや掲示板への書き込みなんかをやっていたが、そのうちエロサイトを閲覧するようになった。
一度など知らないうちに悪徳有料サイトにアクセスしてしまい、高額な請求が来て妻にばれて喧嘩になったこともある。
それでも止められなかった。エッチをしたがらない妻に文句を言っても、決してエッチが出来るようになるわけじゃない。
ならばこのささやかな楽しみぐらい大目に見てもらうことになったのだ。妻にしてみれば、夫が悪い女につかまって家庭崩壊するよりはよっぽどマシだと思ったらしく、悪徳サイトにアクセスしないよう注意するならばと、目を瞑ることとなった。
きっとすぐに飽きるとでも思ったのだろう。
確かに僕は、しばらくすると飽きてきた。ボカシのない性器のモロ写真を見ても興奮しないし、正直なところ面白くなかった。
ところが僕はあるサイトをきっかけに、新たな興奮を得るようになった。
それは、SMである。
インターネット上に数ある画像サイトでボンテージや縛られた写真を見て興奮したわけでは無かった。
いや、それどころか何が面白くてあんなことをするのか理解出来ないくらいSMに対しての興味は皆無に等しかったのだ。そのサイトに辿り着くまでは・・・。
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