59人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
途端に隼は額を抑え、ベッドから跳ね起きた。
「痛ぇな!なにすんだよ!」
そう怒鳴ると同時に、蒼也を睨みつけた。
それに対して蒼也は全く悪びれる様子もなく、無表情で応える。
「夏休みは昨日で終わり。今日から学校が始まるよ」
その言葉に隼は怒りも忘れ、しばらく口をポカンと開けていた。さらに蒼也が言葉を続ける。
「それと、今日はテストがあるはずだけど、大丈夫なの?確か隼は、夏休み中ほとんど勉強してなかったよね?」
隼の口が閉じ、表情が一気に青く変わった。
「やべえ!早く勉強しねぇと!嫌、それよりもまずは朝飯だ。母さん、メシ!」
隼はハンガーに掛けてあった制服を約1ヶ月ぶりに取るとすぐに着替えを済ませ、忙しなく部屋を飛び出して行った。
部屋に取り残された蒼也は再び大きくため息をつき、静かに隼の部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!