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ふっと笑った真壁は庭に目をやった。
気付いた二人がドアを潜って近寄ってくる。
「俺が強く見えるとしたら、それは守るものがあるからだろう」
「守るもの?」
無言で差し出された真壁の腕を、疑う事無く篠崎が取る。
抱き寄せられるでもなく距離を詰めた彼は、溢れるほどの笑顔で応えた。
「君にもあるだろう?俺は雅史だけが唯一で絶対の『守るもの』だ」
交わす視線は優しさに満ちていて、愛おしむような互いの瞳の中に確かな絆が見えた気がした。
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