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【4】
木の陰の雨のあまり当たらない場所で、俺は龍太郎に抱っこされるように座っていた。
「おじちゃん、だあれ?」
首を捻り、屈託の無い顔で幼い俺は龍太郎に尋ねた。
おじちゃんと言うフレーズに苦笑いを浮かべた龍太郎は俺の頭をくしゃくしゃと撫でてくる。
「ボクは……ボクも、『龍太郎』。神成 龍太郎。よろしく、龍太郎くん」
何故、龍太郎が俺の名前を知っているのかには疑問が巡らなかった様で、幼い俺は安心したように龍太郎の大きいお腹に体を預けた。
……てか、アホだろ。俺。
ちっとは警戒しろよ。
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