葉桜

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それはそれは不穏な気配、纏わりつくような生ぬるい空気を剥き出しの肌で感じていた。 僕にとって触覚というものは、視覚の次に大事な感覚であり、それはそれは不快な思いを噛み締めていたのだ。 開け放たれた障子窓に、漂う煙の匂い、野焼きでもしているのだろうか。 夕暮れも深く深くなりつつあり、橙色の向こう側に、うっすらと月のようなものが視認された。 さて、立ち上がろうにも立ち上がれない、胡座をかいている脚に横たえられた萌黄色の頭をぼんやりと見やる。 寝息は不規則的で、まるで悪い夢でも見ているかのように時折眉を顰めるものだから、揺り起こしてしまおうかと逡巡した。
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