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もちろん英理子がへまをすること自体、少ない。家具の配置は頭の中にはいっているらしく、それらの角に足をぶつけるようなことはないのだ。
なにより、部屋の物の数はけして多くない。机にベッド、ラジカセ、パソコン、備え付けのエアコンぐらいなものだ。そのほかは洗濯機や冷蔵庫など生活に必要なものばかりで、眼が見えなくともどうにか操作できる。
ゲーム機やテレビ、本などは全くない。翔斗は初めて着たとき目を丸くし、宵闇にいたっては、
「殺風景だねぇ」
と、ぼやいたぐらいだ。
さっぱりしている部屋だからこそ、神姫にとって動きやすい部屋だ。ただくおんはずっと英理子の傍から離れない。
もしものことがあったときに。
くおんは常に思っているのだ。
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