生徒会会則第五条

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「……読めた、ねえ」由香子は斜に構えた。「本当に読めたかどうかなんてわからない。 あんたの答え合わせに付き合う義理なんかないから、まずは、すっとぼけさせてもらうわ。『なんのこと?』」  虎ノ介は含み笑いを浮かべ、「じゃあ、今度はおれの番」と、目を細めた。  その目の奥に熱がたぎる。さながら、新しい玩具をみつけた猫のような。 「あんたの目に、おれはどう映ってる?」  短く息をはいて由香子は口角を上げた。 「まるで、自分を鏡に写したようで、腹立たしい。 ちなみに、私もやるもの。会話の始めに話題をずらす、それ」 「勘弁して」言いながら虎ノ介は腹の中では、同感、と思う。「一緒にしないでよ。少なくとも……おれはあんたみたいに野暮じゃない」  由香子は、微かに顎を上げた。 「やめろ、って言いたいわけ? 意外と良い子ちゃんですねー」 「挑発に乗るわけじゃないけど、別にそんなこと言うつもりはない。 ただ、昔からよく言うじゃん。 『人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて死んじまえ』ってね」 「だから? 私があのヌけた会長に蹴られるとでも? 冗談」  由香子の言葉に、虎ノ介の目の色が変わった。
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