10577人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
こうして見ていると、本当にたくさんの人たちが駅の方から次々と通り過ぎていく。
『よくもまぁ、こんなに人が集まるよね…渋谷って』
葵さんが呟く。
信号待ちの人たちは面白い位、窓をミラー代わりにしている。
『皆、自分の見たくれが気になるもんなんだね(笑)』
私に笑いかける翔。
『そういえば、翔サン出会った時より全然ラフだよね(笑)』
初めて会った時は、髪がツンツンでがっちり固まっていたのにね。
そう言う代わりに、翔の髪に触れてみた。
『今店じゃないしね~』
翔は私に髪を触れられることすら、普通になったみたい。
付き合う付き合わないとかの形にあてはめたりするんじゃなく。
私が好意を寄せているだけでいい。
それで、翔が自然に隣にいてくれるだけでいい…
今の私には、それで充分だよ。
最初のコメントを投稿しよう!