恋する夏の日

1/14
117人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ

恋する夏の日

心がざわめいたまま、玄関を開けて家の中に入ると、ようやく落ち着いた気分になった。 それもつかの間、 「あんた、誰といたの? 今の柴田くんじゃないでしょ?」 母の厳しい声がした。 「え・・ただいま。」 「ただいまじゃないわよ。夕飯いらないなんて言うから、会社のお友達と食事してくるのかと思ったら・・。 別に柴田くんとは婚約してるわけじゃないし、制約はないかもしれないけど。 あんまり手を広げ過ぎないことね。近所の目もあるんだから・・」 矢継ぎ早にいわれてしまった。 「それで、誰なの?今の人?」 母はあくまでこだわった。 「見てたの?」 「誰なの?」
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!