*+。間違いなく彼女を消すよ。+*

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「……!!!」 私は、バッと布団を抑え、また捲られないようにする。 は、恥ずかしい!無理すぎる!私にはレベルが高すぎる! 「…何してるの?そんなことしてたら、いつまで経っても痛みが引かないよ」 フィルが訝しげな顔を浮かべる。 そりゃそうだけど! でも、でも…恥ずかしいよ……。 「…………」 恥ずかしいっていう言葉すら、言うのが恥ずかしくて…なかなか口を開けない。 「…ほら、泣きそうな顔してる。痛いんだろ?」 フィルが優しく頭を撫でてくれた。 それだけで、こんなにも…甘えたい気持ちになってしまう。 「………うん」 「だったら、ちゃんと湿布して包帯巻いて、早く直そう。ほら、足出して」 フィルが諭すように言うもんだから、何だか従うしか出来ないような流れになってきた。 ちょこんと足首を出した。 ああ、そっか。自分で出せば、そんなに足露出することないんだ…。 まださっきよりは良かった…。 ピタッと湿布を貼ってもらい、ひんやりと気持ちの良い冷たさが伝わる。 「次は包帯巻くよ」 フィルは包帯を取り出し、私の足をガシッと掴んで、ちょうど巻きやすい角度になるまで上にあげた。 「……フィル…!」 いきなりの行動に、先程と同じように顔に熱が集まるのを感じる。 「んー、なに?」 それに対して、フィルはまったく何とも思ってないのか、ぐるぐると包帯を巻いていく。 でも、その包帯の巻き方が……あまりにも優しくて…丁寧で……。 恥ずかしさと…むず痒いような…よく分からない気持ちがごちゃ混ぜになり… 「…うっ……うぅ……」 涙が出てきてしまった。  
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