事件
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「笹本さん?」 朝の通勤時間に名前を呼ばれて、ゆっくりと振り返った俺の目に映ったのは高校生位の青年。 今時の学生にしては珍しく髪が赤くない。 真直ぐなストレートの髪。 ニキビひとつ無い、日に焼けていない色白な顔は、男にしておくには勿体無い位だ。 強い光を称えている瞳は何処か怯えも含んでいて、落ちつかなげに揺れている。 「誰だ、お前?」
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