事件

2/4
916人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
「笹本さん?」 朝の通勤時間に名前を呼ばれて、ゆっくりと振り返った俺の目に映ったのは高校生位の青年。 今時の学生にしては珍しく髪が赤くない。 真直ぐなストレートの髪。 ニキビひとつ無い、日に焼けていない色白な顔は、男にしておくには勿体無い位だ。 強い光を称えている瞳は何処か怯えも含んでいて、落ちつかなげに揺れている。 「誰だ、お前?」
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!