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こういうのは成り行きってやつだな。
学校の講習会。
たまたま終わった時間が同じで、アサミと一緒に帰る感じになって。
いつもみたいに馬鹿な話してたら、ふと、「動物園行きたいね!」ってな。
「おお!いいね!」って答えてさ。
とりあえず着替えて、動物園前で待ち合わせ。
友達も呼ぼう、なんて言われたけど・・・。
「あれ?タカ一人?」
「おう。み、みんな忙しいって。」
まあ、連絡してないわけで。
「つうか、アサミも一人じゃん。」
「マキもミノリもまだ講習会だって。」
ごめん、俺知ってた。
つうわけで、俺とアサミの初デート、動物園が幕を開けたわけよ。
俺達の町は、田舎の大都市みたいな感じで、イッチョマエに動物園がある。
でもまあ、そこは田舎。
有名な動物園と比べると、同情がわくぐらいのレベルだ。
門の塗装もハゲて数年たったような貫禄があるし、チケット売り場のパンフレットは色あせて。
売り場のおばちゃん、寝てるし。
アサミは苦笑していた。
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