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お魚くわえたどら猫が民家を走り回る。
その お魚 を猫からひったくれば、1日分の飯になる。
猫が逃げた場合、俺はその猫を追いかけている女を追いかける。
その女はいつも裸足だ。
片腹痛し。
まぁ、どの道飯には困らない。
女は時々、
財布を忘れて買い物に行く
という都市伝説を実行してる。
はっっ バカじゃね⁉
俺が財布すってんだよ笑
「どこに行くのですかぁ?」
って声かけたら女は振り向く。絶対に。
まぁそこから上手くすってけば一番良いのだが…
その女が
本当に財布を忘れて
いた場合、俺の夕食はレベルが低くなる。
鉄棒の根本に生えている葉、松みたいのに付いてる赤い実、穏やかな色のキノコ、そこらへんのゴミ箱。
ダンボールハウスの住民は、いつもゴミ箱をあさっている。が、それにも限度がある。
最初俺がこの公園に一軒家を構えたとき、既に8人ほどの先住民がいた。
やつらは皆目を赤くしながら毎回の飯を争奪し合う。
実に醜い。
俺はタマの後ろ足の肉を食いちぎりながら鼻で笑った。
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