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蘭丸さんが帰ってきた翌日の中、前触れの通り信長は大軍を率いて安土に帰ってきた。
深夜という事もあって、城の中は静まり返っている。
鈴さんに聞いた話だと、帰還のお祝いは明日行われるらしい。
私は蘭丸さんに頼んで、信長に会いに行くことにした。
おんぶで良いって言ったのに蘭丸さんは引いてくれなくて、いわゆるお姫様抱っこをさている。
「今回の戦は大変だったの?」
「そうでもありませんよ。武田領……甲斐と言うのですが、甲斐はかの武田信玄公が健在であったために揺るがないものでありました」
ゆらりゆらりと、蘭丸の歩みに合わせて視界が揺れる。
蘭丸さんの整った顔が凄く近くて心臓に悪い。
前に信長にお姫様抱っこされた時のことを思い出す。
なんでこの世界は無駄に格好いい人が多いんだろ。
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