007

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「そうだ。美菜はシリウスの血を継いでる」 健太の落ち着いた声はぼくの心の深いところまで届いた。 美菜は、小さな唇をうっすらと開けたまま眠っている。ぼくたちの行く手に白く大きな機械が立ち塞がっている。 美菜が夢の側の人。確かに美菜の超人的な能力にはいつも驚嘆させられた。 「美菜の場合は、君たちとは違うんだ。ぼくが彼女にシリウスの心臓を移植した」 「え? 移植?」 ぼくは健太の言葉が俄には信じられなかった。 「信じられないかも知れないけれど本当のことだ」 健太はそう言うと目の前の大きな機械に視線を向けた。 「これは何?」 ぼくは白い機械に歩み寄ろうとする。 「わからない。ちょっと待ってろ」 健太はぼくを制する。美菜をコバルト色の床に静かに横たえると、機械の向こう側に回った。 .
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