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「まっ、君たちのおばあちゃんおじいちゃんの世代の伝説だから、もしかしたらおじいちゃん達がもっと知ってるかもね」
啓司はにこやかにまた微笑む。
「昔から聞くけれど、かっこいいな、蒼の英雄の伝説、どんなひとだったのかな?」
カオスは頬を上気させている。
「私、どうせお婿にするなら、蒼き英雄が予言した男の子をお婿にしたいわ」
サクラが眼を輝かせて微笑む。
「はは、お父さん泣いちゃうよ、サクラ、あ、でも啓司さんも異界からの来訪じゃないの?」
「はは、君のお父さんの時代は他の世界との連結がうまくいかなかったみたいだからね、なんか変につながったりしたみたいだよ?
ま、異界から呼び出された魂は不思議な力を宿すようだし、英雄なんかじゃなくても楽しめるさ」
そう言うと啓司は黒い炎を出してみせた。
「私はこちらに来るさいに、こんな力を授かったが、私の力は確実に誰かを滅する力だ、私はあまりこの力を好ましくおもわない、あまり能力の名前も口にしたくないしね」
啓司は苦笑する。
そしてキセルを自分の口にくわえると
「隣人の全てを愛せなんていわない、でも願わくば隣人と笑いあえたらいいと思う、平和な時代の今だからこそ、君たちの世代には力の在り方を考えてほしい、力は護る術にも凶器にもなりえるからね」
啓司の言葉に二人はじっと耳を傾けた。
「おっと、もう夕方か、そういえば二人は用事があるんだったんじゃないかな?」
啓司はほほ笑みながら
言うと二人ははっとした。
「ああ!おつかいしなければ!!」
「兄さん急がないと!!」
二人はあわてると啓司に頭を下げて啓司の店をあとにした
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