プロローグ

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尾坂町を一匹の獣が走る。 獣と言っても、ただの獣ではない。 アヤカシと呼ばれ、人に災いをもたらす者。 だが、獣は何故走っているのだろうか。 人に災いをもたらすため? 否、このアヤカシは天敵から逃げていた。 「やれやれ、行動パターンを桂さんに教えてもらって正解だった。」 「全くです。アイツ、すばしっこ過ぎます。 今日は、いつもより多めの糖分を要求しますよ。」 「はいはい。じゃあ、サクッとやるか。」 「ですね。」 アヤカシの前に、喋りながら一人の少年が歩いて来る。 「■■■■!」 アヤカシは、襲いかかる。 「はッ!」 少年は、手に持っていた木刀をアヤカシに振るう。 バシン! 「■■■■!?」 少年の一撃は見事にアヤカシを仕留め、アヤカシは叫び声をあげながら消えていった。 「・・・さてと、帰って寝るか」 「あうう~、糖分補給は忘れないで下さい。」 「分かってるって」 独り、ブツブツと呟きながら去っていった。
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