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夢現<ユメウツツ>
君は覚えているかな
初めて会った季節を
肌寒い冬の日
2つの影が並んだ
淡い夢のように
ゆっくりと消えていく
あれは夢か現か
私にはわからない
夢ように忘れられたら
どんなにいいのだろう
現の感覚忘れずに
君の夢をまだ見る
*今更だけど手を伸ばす
手袋をつけて手を伸ばす
つかみかけた君の手は
私の指を弾いた
掴めなかった悲しみも
掴みかけた苦しみも
全て全て君のせいだと
心に嘘をつく
君は覚えているかな
私達のつながりを
手袋を取り去って
繋いだ手の平を
桜が散るように
紅葉が枯れるように
私と君の関係は
夢と現のよう
頭に浮かぶあの日の臭い
肌に残る君の体温
耳に響く君の声
目を閉じれば夢の世界
*今更なのに手を伸ばす
素手のままで手を伸ばす
届かないのはわかってるけど
何もしないのは嫌だから
掴みかけた君の悲しみ
掴み逃した幸せも
全て全て君のせいにして
私は今も
君を探してる
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