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警視庁特殊捜査室……そこで通常の捜査が行われることはない。
室長の佐藤圭介は、部下の青木浩平、森美咲の二人を前に口を開いた。
「……という訳で、警視庁特殊捜査室の僕達はこの一件の調査を進めることになった。理解してくれた?」
「異議ありで~す」
デスクの前に立つ二十歳ぐらいの青年は、やる気なさげに声を上げた。
「青木君、ちょっと不真面目過ぎるわよ。でも、私も彼と同意見です」
それとは対照的にキリッとした同年代らしい女性も、言葉は違えど同じ意見だった。
「どうしてだい?」
「だってあれでしょ?上のお偉いさん達が失踪だー誘拐だーって言ってんなら、俺ら特殊捜査部の出る幕はないでしょ」
「これが佐藤室長の独断であるなら、なおさら……」
「独断なんかじゃないよ。ちゃんと上のお偉いさんからの命令……いや、お願いなんだ。ほら」
そう言うと圭介は二人に一枚の紙切れを渡した。
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