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「お前じゃないのか」  スバルに指をさされたクロは、一瞬動きを止め首を傾げる。 「俺は一文無しだし。戦いについてはからっきしダメなんでね。もし狙われたとしても、あんな大人数で来るわけがない。てゆーか、俺には身に覚えがない」 「むむっ」  本当にそうだろうか。  あの時のクロの動きは、からっきしダメだ、と言うには疑問が残る。 「じゃあ、私が狙いだな」 「リシンシ様……」 「まっすぐ私室を狙ってきたのだろう? ここには私とクロ以外に人は居ない。彼じゃないなら、私だ。ただ、私にも身に覚えは無……」  思わず言葉を止める。  なんだろう。  暗殺者。セキシ国。傭兵。  この言葉を最近、目にしなかったか?
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