1065人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「……え?」
まさか本当に涙を流すとは思わなかった。
半泣き程度なら何度かあるけど、ぽつぽつと頬を通る位の事は久しぶりだな…
「っ―…!おい、信太なんで泣いているんだよ!」
高校生にもなってマジ泣きとか恥ずかしい。
だけどとまらない…。
後から後から流れてくる。
「…なあ、なんか言えよっ!」
木戸恭輔は俺の肩をがっちりと掴んで逃がさないと言うように俺の目を見据えていた。
恭輔は何故信太がいきなり泣き出したことに意味が分からなかった。
「ひっ…!」
木戸恭輔は最初に会ったときのような勢いは無く、辛そうな顔をしていたけど、俺にはやっぱり怖い。
「あんた馬鹿?」
傍観者と決め込んでいた姉が木戸恭輔に再び口をだした。
俺の姉は何してるんだよ。
「…はあっ?」
「あんたのそんな怒り顔じゃ、私の気の小さい弟が喋れるわけ無いでしょ。」
悪かったな。気が小さくて…
。
「…そうなのか?」
「え?」
.
最初のコメントを投稿しよう!