君のいない未来に幸せなどあるのでしょうか(03)

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  「おはようございます。」 「おはよう、直ちゃん。」 楽屋に入ると何時ものように笑顔で俺を迎えてくれる可愛い末っ子の弟。 「ユースケまだ来てないの?相変わらずユースケは…「たけにぃ、」 何時もうんうんと聞いてくれる直樹が珍しく俺の話を遮った。 「お話があるんです。」 直樹から聞かされたのは今回の騒動のことだった。 もう番組には出れないということ。 暫くの間お休みを取ること。 こうなってしまったのはユースケと付き合っている事が事務所にばれたからということ。 そして全て言い終わった後にユースケには言わないでくれ、と。 「ゆうちゃん、自分のせいだと思っちゃいますから。」 はは、と渇いた声で笑いながらうつむく直樹。 見ていられなくなった俺は思わず直樹を抱きしめた。 「辛かったね。」 きっと直樹のことだから長い間溜め込んでいたのだろう。 抱きしめた直樹の目から次々と涙が落ちる。 ごめんなさいごめんなさいと誰に謝っているのか。 どうして神さまは二人を幸せにしてくれないのか。 君たちを突き落とす。 今の君たちならきっとその方が幸せだ。
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