君のいない未来に幸せなどあるのでしょうか(01)

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  僕は、僕はただ君の笑顔が見たかったんだ。 「ゆうちゃん!」 夢の中でも微笑む君はやっぱり可愛いくて、思わず抱きしめる。 「のく!」 「へへっ、ゆうちゃん。くすぐったいです~」 君の細い腰が折れてしまうぐらいぎゅうぎゅうと抱きしめる。 俺の首に腕を回してすりすりと頬をすりつけてくる。 愛しくて抱きしめ返すと、その腕はするりとすり抜けてしまった。 「…のく?」 「ゆうちゃん、ごめんね…もうさよならなんです。」 ばいばい、と言って消えて行ったのく。 突然の事過ぎて意味の分からない俺は暫くそこにつっ立っていた。 窓から差し込む光を見てやっと分かった。 夢だったんだ…。 俺は背中にべっとり汗をかいていた。 ちょー寝起きわりぃ…。 取りあえず夢だった事にほっとした俺は仕事の準備に取り掛かる。 今日の仕事は楽しみだ。 なんたって今日は君にあえる貴重な1日なんだから! それが夢じゃないと分かったのはその日の収録だった。 「ゆうちゃん…僕、もう一緒にいれないんです。」 嗚呼、君のいない未来に幸せなどあるのでしょうか。
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