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祖父の枕元に影を見た日から、亡くなる日まで、大体80日ほどでした。
のちに読んだ本の話ですが、映画解説者の淀川長治さんも母の死の間際に死神を見たと話していらっしゃったそうです。
やはり死神に自分の寿命を半年あげるから、とお願いして、お母様は半年だけ持ち直したのだとか。
私が見たものは、死神だったのでしょうか。
もしそうなら、私の寿命は82日ほど縮んだのでしょう。もっとあげてもよかったのですが、あのとき閃いた言葉は不思議と82日だけでした。
きっと、寿命に介入できる日数には限りがあるのかもしれません。
……死神も『神様』。
今では私も、そう信じています。
(了)
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