第一話~思いの火蓋~

1/5
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ

第一話~思いの火蓋~

『好き』だということ。 ただ、それだけ。 他の誰がどうだろうが関係ない。 ただ、オレは、『好き』なんだ。 本当に、ただ、それだけのこと。 彼女も同じ気持ちでいてくれるのは、何度も確かめ合った。 オレは、彼女が。 彼女は、オレが。 ただ単に、互いが互いを、『好き』なんだ――。 ――なのに。 なんだというのだろう、この落ち着きの無さは。 彼女のことは、信じている。 ……信じている、ハズだ。 なら、なんだというのだろうか、この嫌な気持ちは。 ――なんて、無様。 あまりの気持ちの乱れように、自分を笑ってやりたくなる。 それくらいに、オレは、今――――。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!