プロローグ『きっかけ』

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現在の時刻は16時。まだこの時間ならば、由英は教室にいるはずなのだ。俺の教室は、図書室を出て左に曲がった突き当たりにある。教室の電気が付いている。やはり由英は教室にいたのだ。 「おい由英!!」俺は教室の引き戸を勢いよく開けて名前を呼ぶ。教室に入ると「こーら、学校にいるときは先生ってつけろって言っただろ。」などと言う声が聞こえてきたが気にせずに由英の前に行き、貸してもらった資料を突き付けた。 「これ…お前が関係してるんだろ。」 そう言いながら由英を見ると、少し驚いたような表情を見せてから小さく笑った。 「何?興味ある?…興味あるんだったら教えてやるよ。」由英はそう言って俺を見る。その言葉に俺は小さく頷いた。 .
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