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優しく包み込まれるような感覚が鮮明な過去の景色と一緒によみがえる。
懐かしい日の思い出は変わらない時の中を巡り続ける。
月明かりの下、抱きしめ合った夜に残る二人の影は永遠に消えることなく、記憶として、思い出として、その場所に刻まれている。
失うことの辛さを知った時、人は何もできないことを悔やむ。
すり抜けるだけの君の影を抱きしめることすらできず、立ち止まるだけの毎日。
ただ、思い出の中にある二人の景色。
声すら届かないくらい遠くの君も同じ景色を見ていることを願い、今日もこの場所で待つ。
また君に出会えることを信じて。
いつまでも待ち続ける。
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