居場所

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そんな感じで歩いていると、オヤジが「君可愛いねぇ」と声を掛けて来た。 私は(何か来た……。この、人が居て、関わって来ない、ドライな感じが良かったのに……。面倒だし無視しよ……)と思い、そのオヤジを無視しながら進んだ。 が、そのオヤジは、私の手を掴んで来て「俺と遊ぼう」と言って来た。 私は(遊ぼう?!お茶しようじゃなくて、遊ぼう!?まぁ、表現法は人それぞれか……)と思い、オヤジの手を振り払い、尚も無視を続けながら進んだ。 オヤジは「一万あげるからっ。ねっ、遊ぼう」と言いながら、私の手を掴み、引っ張って来た。 私はオヤジに引っ張られた拍子に、よろめいてしまった。 その瞬間オヤジの顔が目に入る。 私は(うっわっ不細工ッ)と思った。 オヤジは「ちょっと相手してくれるだけで良いから」と言って来た。 私は(地元でもナンパされる事はあったけど……。しつこいなぁこのオヤジ……)と思い「お金あってそんなに話し相手が欲しいならバーにでも行けば良い……。私はアンタに私の時間を売ろうとは思わないから……」と言った。 オヤジは名残惜気な表情で、何かを言い掛けた。 なので、私は「しつこくするなら警察に駆け込むよっ」と言った。 すると、オヤジは渋々私の手を放し、去って行った。 私は、また歩き出した……。
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