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「まだ具体的にいつとは決まってないです」
「えー、なんで?」
「なんでって…時期を見てるだけですよ」
驚いて聞く美里に、啓太は飄々とした表情で答えた。
「時期って何よ?お互いに結婚に同意してるんでしょう?」
「それはそうですけど、タイミングとか色々あるんですよ。ノリと勢いで結婚した美里さん達とは違うんです」
「随分な言い方ね」
啓太特有の毒舌めいた言い回しに、美里は思わず吹き出してしまった。
美里の過去も現在も知り尽くしている啓太だからこそ言える、愛情ある悪態なのだ。
「俺達はゆっくりと愛情を育ててるんですから、ほっといてください」
「はい、分かりました」
美里が笑いながら掲げたグラスに、啓太も笑顔でジョッキをぶつける。
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