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強烈なフラッシュ。
海に浮かぶ小島のようなリングの真ん中では強靭な大男と小柄な金髪男が競い合っている。
まさに、パンとサーカスの比喩が似合うこの状況。
熱気高ぶるこの会場は、獲物を捕らえた民族たちの儀式のようにも見える。
人が人を破壊する。
こんな非人道的な行為を人々は日頃の社会に虐げられている自分を重ね合わせながら一時の快楽に溺れているようだ。
強靭な男の蹴りが小柄な男の頭に正確にヒットする。
専門的にいうとクリーン・ヒットと言ったところか。
小柄な男は、役目を終えた大木のように崩れ落ちていく。
そして、歓声。
やがて、スタッフらしき男たちが戦いきった彼らを運び出してしまった。
人が死んだかもしれないというのに会場はまだ一時のドラッグに溺れている。
そして、時は2017年。
３年たった今、彼らの戦いを覚えている者は、この街に何人いるんだろう？
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