3421人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
「えっと……まずは職員室だよな」
昨日、頭にたたき込んだ学校の地図を思い出しながら歩いた
「……それにしても広いよな」
授業中ということもあって、周りには誰もいなかった
「貴裕はそろそろ起きてるかな?」
なんだかんだ言って気になる俺……けっこう優しいんだからな!
「ん?」
どこかで話し声が聞こえた
「どこの学校にも不良っているんだなぁ」
こういうのは無視だ
関わるとろくなことないような気がするし…
「あ……」
そこで俺は気づいた
気づいてしまった
職員室って不良がいるとこ通らないといけないんだった☆
回り道すれば行けないこともないけど……そんなことまでしたくない
てなわけで、智ちゃんは不良の前を通ります!
別に、俺は不良の前を通ろうが気にしないんだが……貴裕たちがうるさいんだよね
俺がケンカで負けると思ってんのか?
本当に過保護だよな
「………ハァ」
軽くため息をついて前を通り過ぎようとした
「あ、あの……お返事を」
「だから、態度でわかんねぇの?無理だって」
不良じゃなくて告白現場でした☆
もちろん男同士の……
「ど、どうして…?」
「お前みたいな自分がかわいいって思ってるようなやつ正直キモいよ」
「……う、そ」
しかも、ふられてる…
智ちゃん、どうしたらいいのかな?
動けないんだけど!?
「ど、どうしてもダメなの?」
「しつこいやつとかマジ無理。消えて」
「そんな………!ひどいよ!!」
物陰に隠れたからわからないけど、おそらく泣きながら走っていった
よし、そのままお前もどっかに行っちゃえ!
「……」
「何してんの?」
聞こえない。俺は何も聞こえない
最初のコメントを投稿しよう!