第一章 入学

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中に入ると、真っ先に目に入ったのは大きなソファ。 10人は座れるんじゃないかというぐらいの大きさである。 そのソファの真ん中に、校長先生と思わしき人が座っていた。 ふくよかな体型に、おしゃれな茶色のスーツ。 大きな黒淵の眼鏡に、真っ白な髭が良く似合っている。 まるで某フライドチキンチェーン店のあのおじさんのようなその容姿は、まさしく"偉い人"という雰囲気を醸し出していた。 「こんにちは榊君。君の話はお父さんから聞いているよ」 「はぁ・・・それはつまり・・・そういうことなんですかね?」 「ううむ・・・」 校長先生が俺の心情を察するように、先程まで穏やかだったその表情を強張らせた。 「君のお父様が、我が校に願書を提出されたんだ。君の代筆ということでね」 やっぱりか・・・なんだか引っ越すまでやけに転校先のことを隠すと思ったら、親父め・・・。 「それでその、こんなことを聞くのもあれなんですが、どうして男である俺の願書を受け入れたんですか?」 この学校の最高責任者である校長先生が、男を受け入れるに至るまでの理由がどうも解せない。 すると校長先生は、先程と同じように穏やかに笑いながら答えた。
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