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純真なる少女
身体測定(中学一年二学期)
新藤佑希:162cm
(しんどうゆうき)
乕田誠司:153cm
(とらだせいじ)
海老寿孝明:168cm
(えびすこうめい)
「はぁっはっはっはっは
小せえな、乕田」
「うるせえ!
これでもクラスの真ん中あたりなんだ!
ていうかお前らがでかすぎなんだよ!
新藤!海老寿!」
「この身長差がまさにてめえとオレ様の地位の差を表してるな」
「なんだよ、高々身長が少し高いだけでよ
そんなこと言ったらお前だって海老寿より小せえじゃねえか!」
「ぁあ?」
「もしキャプテンの気に食わんならうちはこの身長を低くしますぅ」
「だそうだ
わかったか?乕田」
「何がだよ
意味わかんねえよ
しかもできるわけねえだろ、身長減らすことなんて
たとえできたとしてもお前はそれでいいのかよ、海老寿」
「うちはキャプテンのためなら……」
「というわけだ」
「……もういいや」
「はぁっはっはっはっは
相変わらずてめえは弱(よえ)えな
サッカーにしても口げんかにしても」
(むかつく……
訳のわからない理屈を並べて完全に勝ち誇ってるのがすげえむかつく……
誰かこいつに勝てる勇者はいねえのかな……)
「というのがこの物語の発端だ」
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