はじめに…

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ちょっとそこのお若いの!! キミ、キミ! キミだよ。 高校生のキミ! キミは『源氏物語』は読んだことがあるか? あるか。 さすがは受験生だ、感心感心。 しかし、キミ。 あの有名な華やかな女楽の場面を読んで、疑問はなかったか? 中宮が箏。 紫の上が和琴。 明石の君が琵琶。 女三の宮が琴。 女性達が華やかに合奏したというのだが。 女三の宮の琴。 琴?琴って何だ? コトって読んだキミ! キミの大学受験はヤバイぜ!! キンと読んだキミ! キンって何だかよくわからんだろう?? そんな時は、古文の先生に質問してみることだ。 「先生!琴をキンとか読むのは何なんですか?女三の宮の弾いた楽器って何なんですか?オコトじゃないの?何なの?」 先生は答えるだろう。 「オコトじゃあない。オコトは中宮が弾いた箏の方だ。キンは別物だよ。」 しかし、それでも納得できないキミ。もっと具体的にな説明を求めてみるんだ。 先生はきっと、焦って逃げ出すだろう。 「キンは過去の楽器だから、詳しいことは不明なんだよ。いったいどんな音色だったんだろうね。」
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