第一話 閑話

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自分の部屋へ入ったハサウェイは、疲れを洗い流そうと、シャワーを浴びることにした。 ――今日は、いろいろありましたね。 久しぶりに兄さんの夢を見ましたし、姉さんが担任に、そして…… 「ティア……不思議な子ですね」 自然とその名が口から出ていた。 ハサウェイは、気付いて口を押さえ、周りに誰がいるわけでもないのに辺りを見回してしまった。 ――本当にティアは、僕の調子を狂わしますね。 ハサウェイは、風呂から上がり、窓際に置かれた木製の机の引き出しに手を掛けた。 引き出しの中には、太陽を象った純銀のペンダントが置いてあった。太陽の中心には、小さくルビーが輝いている。 ハサウェイが幼い頃、思い出の女の子から渡されたペンダントだ。 ハサウェイは、それを一回指でなぞり、引き出しを戻した。 ――ティア、彼女は本当に不思議な人です。 一緒にいると、何故か安心する。 こんな気持ち自分は抱いてはいけないのに…… そんな権利はないのに…… そんなことを考えながら、ハサウェイはまどろみの中に意識を沈めていった。
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