序章

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響く轟音 たった数分前は人で賑わっていた町「カトレア」は 瞬く間に焦土と化していった 生き残りは少年たった2人 ただ立ち尽くす2人の前にヘリが一機降りてきた その機体には見慣れた自分の国の軍のシンボル ヘリの風圧に煽られながらもヘリをただ見つめていると 軍の人間が1人と後から 人間の形をした影のようなものが2つ降りてきた 「おい…なんだよあれ…」呆然と影を見つめている兄貴が俺に問う 「分かんねぇ…人…なのか…?」 俺自身今起きてることも目の前のアレも理解出来なくて質問に質問で返す 軍の男は俺たちのことを見て突然口を開いた 「喜べ…君たちがベースだ」 「どういうことだ?」 兄貴は軍の男に問う 男は「すぐに分かる」 とだけ返事をし取り出した葉巻に火をつけた 次の瞬間 空を裂く音が俺の耳に流れ込み 隣では血を流した兄貴が倒れかけていた 「なっ…おい!兄…!!」 言い終わる前に 先ほどと同じ空を裂く音 それは真っ直ぐに俺の胸を貫き辺りに鮮血を振り撒いた 胸に刺さる黒い何かの先を目で追うとそこにはアレがいた 引き抜かれた黒い棘 傷口から流れ出る血 倒れる俺 薄れゆく意識の中でただあの男とアレの後ろ姿を目に焼き付けていた
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