とある世界での取材

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 とある世界で、とある三流雑誌の記者は「神」と呼ばれる男に取材を取り付けた。  彼に指定された取材場所は、彼の自宅だった。  記者は不安になった。だが、取り敢えず取材を開始せねば何も始まらない。  彼の書斎に入って、記者は先ず、こう質問した。 「あなたが「神」ですか?」  もちろん、彼が皆から「神」と渾名された当人か?という意味でだ。 「たぶんな」  彼は疲れた顔で、そう答えた。 「君は思わないかい?人間はなんて傲慢な生き物だと」  記者は混乱した。いきなり人間は傲慢だろ?と訊かれたのだ。  だが「神」は答えを訊かずに話を続ける。 「例えば、世界が崩壊する物語だ。数人の人間が世界を創り直そうとして、副作用で世界の存在が消えかけるんだ」  話が読めずに記者は無言になる。 「例えば、人外のイメージだ。魔法が主体となる物語には、獣と人間が半々に混ざった生き物が出たりする。SFでは、宇宙人の体格が人間に近似される事が多い」  何故このような話題になるのかが記者にはわからなかった。
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