とある世界での取材

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「どちらも人間という存在が中心だな。獣を人間に近づけ、未確認生物を人間に近づけ、世界を人間の住む地球中心とする」  納得はいくのだ。だが記者が訊きたい事ではない。  だが、彼は話を続ける。 「人間は、神の姿も人の形でイメージする。そしてそれを信仰する。」  神の話になった。記者はこの機に質問を始めようとしたが、彼が話を再開する方が早かった。 「私は、人間を創ったのは宇宙だと考えている。だが、私は未だ宇宙そのものを信仰する人間に会ったことがない。  私は傲慢だ。自分の世界を創るために19の有人惑星を創り、その惑星を内包する恒星系を創り、それらの恒星系を内包するために銀河と銀河を形作る無駄な恒星系を創った。 その銀河を内包するために、宇宙と目的外の銀河を無数に創った。  人間のクセにそれを実現する力をえてしまった。 力があるのに、もはや人間を超越した存在なのに、私は人間としての生活を求め、力を封印した」  知りたかった情報なのに、記者は何も言えなかった。 「この世界に精霊や獣人がいるのも、私の傲慢さだ。私はいったい何がしたかったのか…何をすればよかったのか…」  ここで何かを言えば、何かが壊れる。そう記者は感じた。
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